はじめに
ご挨拶
当社は、農作物調達の世界的に逼迫した現状を踏まえ、穀物分野に於ける日本ウクライナ両国間協力の潜在的需要に対応するべく、事業を行っております。
2013年より、全世界で増え続ける農作物への需要を鑑み、政変や国内の高い金利に喘ぎながらも、投資対象として急速な成長を遂げているウクライナ農業セクターに於きまして、高い生産ポテンシャルを持つ現地企業を見定め投資を行い、まずは株主としての経営参画や日本の商社との取引サポート等でノウハウを蓄積する事を主に、穀物事業を成長させて参りました。投資事業を通じ、農業効率性の向上や、インフラ・販売網整備等、地域の成長に寄与しながら収益を上げ、2016年、パートナー企業からの株式の取得により、ウクライナ子会社キフショバータアグロの100%自社経営を開始し、今日に至ります。
ウクライナ穀物市場を取り巻く環境は、日々目まぐるしく変化しております。世界的な穀物の需要拡大と、価格高騰の下で、競争力の基盤である労働力や燃料価格等も、高いインフレ率につられる形で漸次上昇する傾向が見られています。さらに、IMFがトランシュの交換条件として要求している農地改革法案により、ウクライナにとって最大の資源であるとも言える肥沃な農地が自由市場化される事は、農地賃借料や農地所有権の高騰を招きかねず、多くの農業法人が、新たな農地戦略の策定と、早急な既存賃借権の条件強化を余儀なくされています。
このような状況を踏まえ、当社は、作付農地面積を、今後5年以内に10,000ha以上、10年以内に30,000ha以上に拡大するという目標を掲げ、地域社会に根付いた事業整備を行っております。今後の収益投資の主軸となる農地拡大により、会社が持続的な成長を遂げると共に、ウクライナ社会や農地所有者との関係を広げ、貧困に喘ぐウクライナ農業従事者からの信頼を勝ち得る事で、その成果を地域社会に還元し、更には日本・ウクライナの穀物ビジネスに於ける協力関係の拡充に連動させていきます。
「人を作り、価値を生み出し、社会に貢献する事業を行う」という当社の理念は、海外事業でも変わらない基本理念です。
ウクライナ穀物事業を通じて、顧客の皆様に対しては信頼関係を第一とし、内に於いては地域雇用を広め、人材を育成し、ビジネスとして収益を上げる事に最大限注力しながらも、それ以上に魅力的な企業価値を地域社会と協力して生み出していく事が、何よりも大切であると考えております。
今後とも、顧客の皆様のご期待に応えるよう、全力を投入して参ります。皆様の変わらぬご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。
株式会社SDGs 代表取締役社長
尾崎健介